NJ補習授業校 お便り No3

変化の中で咲く紫陽花(あじさい)のように

School letter 6 20 2026

夏の爽やかな風が心地よい季節となりました。日本では梅雨入りした地域も多いようです。梅雨の花といえば、やはり紫陽花が思い浮かびます。雨に濡れた紫陽花はひときわ美しく、曇り空の下でも私たちの心を明るくしてくれます。
 紫陽花の花色は品種による違いもありますが、土壌の性質によって変化することは広く知られています。土の中のアルミニウムを吸収すると青色に、吸収しにくい環境ではピンク色に発色するそうです。日本には酸性土壌が多いため、青い紫陽花を目にする機会が多いのかもしれません。近年では、ガクアジサイや「万華鏡」に代表されるような品種改良も進み、多彩な表情を見せてくれます。紫陽花は、その時々の環境に応じて美しく花を咲かせる、多くの可能性を秘めた花だと感じます。 

さて、5月24日に予定していた運動会は、雨天のため中止となりました。ニュージャージー補習授業校の60年以上にわたる歴史の中でも、運動会の中止は前例のない出来事だったと聞いています。コロナ禍による制限とは異なり、純粋に気象条件による判断でした。
 児童生徒はもちろん、保護者の皆様、そして教職員にとっても、経験したことのない事態でした。「何とか実施できないだろうか」という思いは誰もが抱いていましたが、児童生徒が思い描くのは、やはり例年の運動会です。代替案を考えても、それは運動会とは似て非なるものに感じられました。

私自身、この出来事を通して、今後同様の状況が起きた際に運動会を中止せずに済む方法はないだろうかと考えるようになりました。本校はパラマスカソリック高校の施設をお借りして教育活動を行っています。学校行事との調整や借用時間、使用施設など、綿密な計画の上で土曜日の教育活動が成り立っています。そのため、同じ規模の行事を別日に振り替えることは容易ではありません。
 しかし、ここで諦めないところに本校の強みがあります。父母の会と生徒会は、「何とか実現できる方法はないか」と知恵を出し合い、限られた時間の中で真剣な話し合いを重ねました。
 特に印象的だったのは、生徒たちの姿です。「自分たちの力で、何とかしたい」という強い思いをもち、真剣に考え、意見を交わす姿に、大きな頼もしさを感じました。これからの社会を切り拓いていくのは、このような柔軟な発想力と創造力なのだろうと、胸が熱くなりました。
 最終的にどのような形に落ち着くとしても、ここまで真剣に考え、行動しようとした生徒会の気概は、本校の未来を支える大切な力となるはずです。そして、この経験は、今後運動会中止を回避するための知恵や工夫を生み出す原動力にもなっていくことでしょう。
 

これからの時代には、私たちがこれまで経験したことのない出来事や、想像を超える変化が訪れるかもしれません。しかし、そのような時代だからこそ、紫陽花が置かれた環境に応じて美しい花色を咲かせるように、その時々の状況に応じて新しい可能性を見いだす力が求められます。

学校では、これからも保護者の皆様と力を合わせながら、困難にたくましく向き合い、豊かな想像力をもって夢の実現に挑戦する子どもたちを育んでまいります。

今回の経験が、本校のさらなる成長につながることを願っています。

校長 小堤紀子

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