夏の忘れもの

School letter 08 22 2026

8月15日、ニュージャージー補習授業校は夏休み明けの初日を迎えました。

久しぶりに元気よく挨拶してくれる子供達と再会できたことを、心から嬉しく思います。教室や廊下に響く声は、夏の陽ざしのように明るく、学校に再び活気をもたらしてくれました。一方で、この夏、日本では各地で自然災害が発生しました。熊本地方を中心とする九州、西日本全体での地震災害、台風による道路冠水や水の事故など、被災された皆様とそのご家族、そしてアメリカに在住されるご親族・ご友人の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

8月は日本の歴史にとって忘れられない時季です。とりわけ、今から81年前の1945年の夏は忘れてほしくありません。この年の夏は日本の歴史を大きく変えました。1941年の暮れから始まった太平洋戦争では、激しい戦闘がくり広げられ戦況は悪化しました。アメリカ軍は1945年8月6日に広島、9日には長崎に原子爆弾を投下しました。日本はその後8月15日に降伏し、太平洋戦争は終結しました。大きな犠牲を払い新体制となった日本ですが、「戦争の時代を乗り越えて今があり、歴史の積み重ねの上に現在がある」ということを忘れないでほしいと思います。私たちは幸いにも今のアメリカで生活しています、それは生かされている自分を実感する毎日でもあります。私は夏休み中に「National September11 Memorial&Museum」を見学しました。当時の状況を想像し、今なお、世界の各地域で様々な面で犠牲になられた方がいることを心にとめていくことが大切ではないかと思いました。そして起こりうる事象に対して、なぜそうなったのか、これからどうしていくことが必要なのかを考え続けることが、これからの未来を創る一歩になると考えています。

小学校4年生の国語の教科書に取り上げられている、詩人・高田敏子さんの作品に「忘れもの」があります。詩の中には「入道雲にのって夏休みはいってしまった サヨナラのかわりに素晴らしい夕立をふりまいて(途中略)だがキミ!夏休みよ もう一度もどってこないかな 忘れものを取りにさ (途中略)ぼくの耳に くっついて離れない波の音」という一節があります。夏の季節はキラキラしていてたくさんの思い出ができたことでしょう。過ぎ行く夏への「忘れもの」があるのではないかと思います。忘れものを取りに行くのは来年の夏休みまでお預けですね。

本校では、これからも教育課程を工夫し、社会状況の変化に柔軟に対応できる力を養ってほしいと願いながら、学びの機会や、学びの場の充実を図り補習校ならではの「日本語を学ぶ」ことを大切にした教育活動を行ってまいります。引き続き、保護者の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。      

(校長 小堤紀子)

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