収穫の季節

実(みの)るほど頭(こうべ)を垂(た)れる稲穂(いなほ)かな

School Letter 10 24 2026

街の景色は秋色が深まり、美しい彩りに満ちています。日本の農家では今まさに稲刈りの最盛期を迎える頃です。たわわに実った稲は、収穫の時を迎えるほどに穂を垂れます。脱穀、精米を経て私たちの食卓へと届けられる米づくりの営みには、多くの人々の努力と自然の恵みが込められています。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざは、生き方や考え方を諭す言葉として広く知られています。豊かに実った稲ほど深く頭を垂れるように、知識や経験を積んだ人ほど謙虚な姿勢を忘れないことの大切さを教えてくれます。子どもたちはまだ地位や立場を意識する年代ではありませんが、自分一人の力で生きているのではなく、多くの人々や自然の支えによって生かされていることに気づき、感謝と謙虚な気持ちを持って成長してほしいものです。

後期の授業が始まって早くも2か月が経とうとしています。授業を参観していると、校内のあちらこちらで子どもたちが積極的に日本語で会話する姿が見られます。補習授業校がモットーとしている「土曜日は日本の教育を」という理念を、担任と子どもたちが共有していることが伝わり、大変うれしく感じています。普段は現地校で英語を中心に生活している子どもたちにとって、英語の方が身近に感じられる場面も少なくないでしょう。しかし、英語と日本語の二つの言語を使いこなせることは、将来の大きな財産となります。ぜひ一回一回の授業を大切にし、日本語の力を着実に伸ばしていってくれることを期待しています。

後期の授業参観・懇談会は、10月17日の3・4年生からスタートしました。24日は1・2年生、31日は5・6年生と中高等部の授業参観・懇談会を予定しています。懇談会の時間帯には、初等部3年生から6年生の児童を対象に毛筆体験を実施します。講師は教務の新谷教諭が務め、前期に続いて2回目の開催となります。毛筆で筆を運ぶ際の基本は書き順です。正しい書き順で丁寧に書くことは、美しい文字を書くためだけでなく、日本語への理解を深めることにもつながります。日本語の文字文化に親しみながら、一画一画を大切にしてほしいと思います。

さて、これからの季節は子どもたちにとって楽しみな行事が続きます。生徒会では、11月に予定されている中高等部ミニ運動会や文化祭に向け、児童会ではハロウィーン・スタンプラリーの話し合いが始まっています。企画や運営を担う子どもたちには、自らの役割に誇りを持ちながらも、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の心を忘れず、全校児童・生徒が笑顔になれる行事をつくり上げてほしいと思います。実りの秋は、稲だけでなく子どもたちの成長も感じられる季節です。一人ひとりが学びを深め、人とのつながりを大切にしながら豊かな実りを育んでくれることを願っています。(小堤紀子)

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